
今回はフラクタル構造について書いていきます。
皆さんフラクタル構造というのを聞いたことはありますか?
裁量を学んでいる方は少なからず耳にしたことがあるのではないでしょうか。
フラクタル構造とは
フラクタル構造とは、「図形のどの部分を取っても、それが全体と同じ構造になっている」ことを意味します。
例えば、下図のように三角図形の一部を切り取ると、全体の三角図形と同じ構造が見られ、更に切り取った図形の一部を見ると、また同じ形になっている・・というものです。


このようにフラクタル構造は全体の形が、規則的に繰り返されているのが特徴です。
フラクタル構造は自然界の物体にもよく見られ、雪の結晶やブロッコリー、人間の血管などもフラクタル構造と言われています。
チャートはフラクタル構造
チャートには、月足、週足、日足から1時間足、30分足、1分足など様々な時間軸のスケールがあります。
そして、チャートはフラクタル構造で形成されています。
例えば、日足がN字型の波形を描いている時、日足の一部を1時間足で拡大すると同じN字型の波形が確認でき、さらに1時間足の一部を5分足で拡大するとN字型の波形が確認できます。


このようにチャートの時間軸を拡大すると、異なる時間軸で次々に同じ形のチャートが繰り返されているのです。
チャートはスケールが小さい波が、1つスケールが上の大きい波を構成しているので、まさにフラクタル構造の概念が当てはまります。
フラクタル構造を使った手法
FXでフラクタル構造を確認してトレードするには、最低2つの以上の時間軸が異なるチャートを分析する必要があります。
これを、マルチタイムフレーム分析と言います。
今回は、FXの代表的なフラクタル構造であり、以下3つの手法を取り上げて解説していきます。
フラクタル構造の手法
- ダウ理論
- エリオット波動
- チャートパターン
ダウ理論
ダウ理論とは、高値と安値がそれぞれ切り上げる「N字波動の上昇トレンド」、高値と安値がそれぞれ切り下がる「逆N字波動の下降トレンド」のことです。


N字波動と逆N字波動はチャートを構成する最も基本的なパターンなので、フラクタル構造となります。
例えば、下図のように日足チャートにて高値を更新した時点でN字波動の上昇トレンドと確認できます。
ここで、高値を更新した日足チャートの一部をスケールの小さい時間足で確認すると、小さい時間足の中にも同じN字波動の上昇トレンドが確認でき、フラクタル構造となっています。


トレードする際も、日足だけを見てエントリーするのではなく、日足が上昇トレンドとなり、更に、1時間足でもN字波形が描けて上昇トレンドとなった時点で買いエントリーすることで勝率を高めることができます。
エリオット波動
エリオット波動とは「上昇5波・下降3波のサイクル」で構成される一定の値動きのことです。


現在の為替レートがエリオット波動のどの波動に乗っているかを分析することで、将来の値動きを予想することができます。
エリオット波動もフラクタル構造となっており、例えば、日足でエリオット波動の1波、2波を確認したとします。
すると、4時間足へ拡大すると、日足の第1波の中に4時間足の第1波~第5波が確認できます。
また更に、15分足へ拡大すると、4時間足の第1波の中に15分足の第1波~第5波が確認でき、フラクタル構造となっています。
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